「MASKMEN」を見ていて改めて思った、「芸人」という職業の難しさの話。

どうも、すんすんや(@sunyasunsun)です。
書きたいことは山ほどあるのに、ありすぎて書けないジレンマに陥っております(笑)
まあ地道にマイペースに書いていくので、よしなに…


3記事ほどここまで書いてきましたが、昔のバラエティの話ばかりだったので、ようやく今やってるバラエティ番組を見て思ったことを書こうと思います。
テレ東系列、毎週金曜0時57分から放送している「MASKMEN」という番組をみなさんご存知でしょうか。
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ドラマなのかドキュメンタリーなのかわからない「モキュメンタリー」というジャンルの番組です。
フェイクドキュメンタリーもほぼ同じ意味です。


話が少しそれますが、テレ東では少し前から「山田孝之東京都北区赤羽」「山田孝之のカンヌ映画祭」「そのおこだわり、私にもくれよ!!」といったモキュメンタリー番組をいくつか放送しています。
山田孝之主役の二本はどちらも視聴しており、山田孝之の熱演には感動するほどで、かなりの面白さでした。


多分ですけど、テレ東制作のモキュメンタリー番組は、筋道とシチュエーションだけは決まっており、その中での出演者の演技や、出演者同士のやり取りなどは、ほぼほぼアドリブというか、素の状態のものではないか、と個人的に思っています。
だから彼らの演技はとても自然で、本当のドキュメンタリーを見てるような錯覚に陥ります。
そしてこれまた個人的な分析ですが、知らない人が見たらドキュメンタリーにしか見えないその内容は、今のヤラセに厳しい視聴者に対してのアンチテーゼの意味合いもあるのではないかと思ってます。
まあこんなことを考えさせられるくらいテレ東の作るモキュメンタリー番組は面白いんですよね。


モキュメンタリーについての話はここまでにして、「MASKMEN」の話に戻します。
「MASKMEN」というタイトルの通り、正体不明の謎のマスク姿の芸人「人印」(ピットインと読みます)についての番組です。
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放送前からこの謎の「人印」の正体は誰なのかという話題でSNSなどで盛り上がっていました。
一回目放送分の最後でその正体が判明したんですが、なんと「人印」は…俳優の斎藤工だったのです!


なぜ斎藤工が芸人「人印」に扮しているのかというと、芸人と仕事をしたり、実際に一緒にネタを披露したりして、笑いを取る快感と芸人への尊敬を感じ、自分自身も本気で芸人になりたいと感じたからだそう。
ただ俳優「斎藤工」としてのキャリアと知名度が純粋に芸人をやる上で邪魔になると思い、彼が今一番尊敬している芸人であるくっきーにお願いして、謎のマスク芸人「人印」が誕生したわけです。
こんな感じで、斎藤工が「人印」に扮し、芸人として葛藤していく様を描いているのが、この「MASKMEN」でございます。


「ああ、やっぱり芸人ってっすげぇ難しい職業なんだな…」
というのが、僕がこの番組を見ていて思った感想です。
この番組の中で、斎藤工は芸人として様々な葛藤をしていくわけなんですが、その原因の根幹には「ウケない」という事実があります。
斎藤工が今まで色んなバラエティ番組で笑いを取ってきたのは、芸人としてではなく俳優としてなんですよね。
イケメン俳優がこんなことを…!っていう意外性の笑いだったわけです。
斎藤工自身もそのことをよくわかっているから、全てを捨ててマスク芸人「人印」となったんです。
だから「人印」がウケないことを尚更歯がゆく感じるし、わかってたことだけど今までバラエティ番組でウケてきたことも「斎藤工」としてだったんだな、ということをより強く感じさせられるわけです。
芸人として斎藤工が葛藤している様は、芸人の難しさを視聴者にもまじまじとわからせてくれます。


そして、笑いを取るのが芸人の本業だと思われがちですけど、0から笑いを作るのが芸人の真骨頂だと僕は思っています。
一流の芸人は一流のクリエイターであります。
そして同時に一流の役者でもあります(ネタを作ってない方はこっち)。
今回の斎藤工はクリエイターとしてでなく、役者としての芸人です。
しかし彼の本業の役者の演技と、お笑いの演技は違います。
ただ笑いを取る、という一見簡単そうな行為の中に、実はこんなに様々な課題がある、という現実に斎藤工はただただ葛藤していくんですね。


「芸人」という職業を尊敬する人、あるいはバカにしている人、そんな全ての人たちが見ても、「芸人」という職業のかっこよさみたいなものが少しわかる面白い番組なので、是非見てほしいです。
くっきーワールド全開の「人印」のネタも一見の価値ありです。


「MASKMEN」の話は以上なんですけど、これに関連した話があったんですが、長くなりそうなので、また別の記事で書こうと思います。
「芸人」という職業の難しさについての、僕の話を少し書こうかなと思ってます。
とりあえず本日は以上です。
読んでいただきありがとうございました。
すんすんやでした。

テレ東の生んだ画期的なコント番組「SICKS〜みんながみんな、何かの病気〜」の話。

どうも、すんすんやです。
相変わらずまーーーーったくアクセス数は増えませんが、地道に更新していきます(笑)
あ、Twitter始めました。お暇でしたらフォローよろしくお願いします。


最近昔のお笑い番組を見返すのにハマっていて、YouTubeなりAmazonプライムなりを漁っています。
先日、TSUTAYAに久しぶりに行きまして、お笑いコーナーを詮索していたところ、題名にもあります
「SICKS〜みんながみんな、何かの病気〜」
を偶然見つけました。
【Loppi・HMV限定】SICKS ?みんながみんな、何かの病気? DVD-BOX

メイン出演者は、おぎやはぎとオードリー。
あとはアンガールズの田中、元℃_uteの中島早貴、それに幸福の科学に出家してしまった清水富美加(むっちゃ好きでした)など…(笑)
プロデューサーは、ゴッドタンで有名な佐久間宣行。
お笑いファンにはたまらないメンツですよね。
放送は2015年で、当時は存在こそ知りつつも見れていませんでした。
ただ放送当時SNSなどでかなり話題になっていたことは覚えていて、今回手に取ってしまったわけです。

内容としてはいわゆるオムニバス形式のコント番組です。
全12回で、メインテーマは「みんながみんな、何かの病気」。
一回目のコントを抜粋すると、

・取れ高に異常なまでの熱意と執着を見せるTVディレクターを小木が演じる「取れ高病」
・AV女優に恋をしてるのに、なぜか処女と信じて疑わない男を若林が演じる「ガチ恋病」
・料理店の全てに評価をつけてしまううざいブロガーを春日が演じる「レビュアー病」
・研究発表中に女性との淫らな写真を流してしまい、開き直る医者を田中が演じる「リテラシーゼロ病」
・思い通りにならないことを全力で攻撃してしまう腐女子二人を中島と清水が演じる「フルボッコ病」
・適当なことをネットに書いて煽る男を矢作が演じる「バズらせたい病」

こんな風に今の日本に実際にいそうな人々を「現代病」と定義して、コントにしているのがこの番組です。
今の日本の人々を風刺していてとても痛快です。
おぎやはぎ・オードリーら出演者のキャラクターを抜群に活かしているし、一つ一つのコントがかなりの完成度です。
テレ東がかなり力を入れて作ったコント番組であることがうかがえます。

二回目も一回目のコントの設定のまま、それぞれの「〇〇病」のコントが進んでいきます。
いたって普通の上質なコント番組なんです。
なんなら今となっては珍しいほど純粋なコント番組。
出演者たちのトークコーナーみたいなのも一切ない。
ほんとにいたって普通のコント番組。
でもなぜか毎回すべてのコントが終わった後に、どのコントにも出ていない謎の男の映像が流れるんですよ。
しかしこの謎の映像が番組にとって大きな要素であることが、後々判明していきます。

そんなこんなで、この後はかなりのネタバレが入るので、この時点で興味を持っていただいた方は今すぐ見てください(笑)
ネタバレがないほど、この番組を楽しめるので!!

第01話

第01話

(プライム会員でも有料ですがAmazonビデオにありました。TSUTAYAの方が安いのでそちらをおすすめします。)

続きます。


三回目にしてこのコント番組に変化が起こり始めます。
「ガチ恋病」の舞台が、「レビュアー病」で春日が通っている中華料理屋になるのです。
それぞれのコントが別々の世界観を舞台にしていると思っていたのが、実は同じ世界観であることが判明したわけです。
またここで同時に「ガチ恋病」で若林が恋をしているAV女優と、中華料理屋の看板娘が同一人物であることも判明します。
実際視聴者としては、このAV女優と看板娘を同じ女優さんが演じていることはわかっています。
ただこういう風に同じ俳優が別のコントに出るなんて、コント番組では当たり前なのでなにも思わず見ていたわけなんです。
「なるほどこんな感じでこれからそれぞれのコントが繋がっていくのか」となんとなくわかるわけですが、番組の最後に流れる謎の映像にて更なる衝撃の展開があります。
実はこの映像に出ていた謎の男が、「リテラシーゼロ病」の田中演じる医師・町田とつながっていたのです!!
そしてこの男が町田に謎の薬を渡すところで三回目は終了します。
この謎の映像もおなじ世界観の話であることが分かったわけです。

そしてこの三回目を皮切りに、それぞれのコントがどんどんどんどんつながっていき、次第に「謎の薬・SICKS」をめぐる壮大なサスペンスコメディドラマへと変わっていきます…!!
ひゃー、すごい。
僕自身、このコント番組がドラマへと変わっていくことは見る前から予め知ってしまっていましたが、それでもかなりの衝撃でした。
当時リアルタイムで見ていた人にとっては、もっと衝撃だったでしょうね(実際当時のSNSではかなりの評判でした)。
僕はTSUTAYAで借りたその日に、どんどん展開に引き込まれて全12回一気に見てしまいました…
第四回において、急に登場人物が死ぬんですよ。
もうそこまで見ちゃったら止められなくなります。
実は第一回目から様々な細かい伏線が散りばめられているので、結局二回見ました…(笑)

オムニバスとか群像劇で別の世界線の話だと思ってたら、どんどん繋がっていくような形式はドラマや映画、漫画などで結構やられてきた手法だとは思います。
映画だったら「バベル」とか漫画なら「潔く柔く」(むっちゃ好きな少女漫画なので、いつかブログに書くかも)とかそういう手法を使っています。
ただコント番組でこれをやったのは恐らく「SICKS」が初めてだと思うので、画期的なんですよね。

興奮気味に書き連ねましたが、本当に面白いのでぜひ見てほしいです。
展開もすごいですが、それぞれのコントが本当によく出来ているので、見ていて飽きません。
今となってはテレビで見られない清水富美加の演技もかなりいいですよ(笑)

読んでいただきありがとうございました!
すんすんやでした。